パンク歌舞伎 マクベス

    

先日、名古屋能楽堂でパンク歌舞伎「マクベス」を見にいきました。能楽堂ははじめてでした。
パンク歌舞伎もはじめてみるものであります。パンクロックと歌舞伎?なんじゃそりゃ?
じつは、シェークスピア「マクベス」も読んだことないです。

いろんな事がはじめて続き。いやいやそれもおもろいじゃない楽しそうじゃない。そんな軽~いノリで見にいく事に決めました。


以下、チラシより

サクレツする音 トビチル汗 一瞬にして無重力
ほら 私のカワイイ子供達 目を覚ませ
美しく狂うマクベス夫人
ラスト二十分間の大殺陣マクベス千人斬り
真赤に染まる能楽堂

17 世紀初め英国においてシェイクスピア作「マクベス」上演される。同じころ日本では「歌舞伎」が産声あげる。どちらも白ぬりの顔した男達によって演じられた。客はバケモノを見る様に息つめて見つめたにちがいない……。

私の芝居は「オモシロ」ければイイ。愛しい人間達の身体が心ゆくままネジれてくれればイイ。……と思っている。モンスター・マクベスと彼を自在に操る妖巫達の血ぬられたゲーム。ハゲシク。セツナク。コッケイにしてザンコク。江戸に咲いた悪の華「歌舞伎」そのもの。

こんな「見世物芝居」にはパンクロックがよく似合う。パンクは真っ直ぐ。一瞬にして掴み去るスピード。朴訥と語りかける節くれ立った力強さ。そんなバンド「TURTLE ISLAND」に出会い、ついにパンク歌舞伎「マクベス」の誕生だ。

舞台はもちろん能舞台。まわりをお客にぐるりと囲まれ「見世物芝居」を演るにはもってこいの場所なのだ。音・映像・ダンス・芝居、絡まるサイケデリックな舞台、特に今回は全25 曲オリジナル。しかもTURTLE ISLAND 生演奏だ。

シビレルぜ。 ─────原 智彦
http://www.youtube.com/watch?v=KW2JWVtMQNs&feature=related

さすが、パンクというだけあり会場は若者率多し。能楽堂にラフなスタイルの若者がうじゃうじゃ。そのギャップにもなんだかわくわく。
この日は、能楽堂ということもあり着物で参上してみた私です。パンクといえど、場所が能楽堂だし、正絹はやめてヘリンボーン柄の洋服生地っぽいもので、レースを襟に少しあしらい、赤のつけ襟に赤い帯で。せっかくなんだもの楽しまナイトじゃナイトじゃ~!

パンフレットによると、このハポン劇場プロジェクトの座長・演出 原 智彦という方、64歳だという。20年前にスーパー一座ロック歌舞伎というのをやっていたそうで、今回音楽担当であるバンド、タートルアイランド(豊田)との縁がありお見合いをして、それならば今度はパンク歌舞伎やってみちゃろうということになったという経緯らしい。坪内逍遥訳の昭和十年発行の本が参考本訳で、この歌舞伎をつくる台詞になっていった意味がなんとなくわかりました。

演目はシェークスピアの古典、舞台は古典の殿堂である能楽堂、そして音楽はパンクロック。歌舞伎メーク。
いったいなに?何がはじまってしまうのかしら?
音楽、確かに音は激しいが心の激しさそのまんまのストレートな表現が素敵。彼らの音楽性受け止められました。
映像、サイケデリックで能楽堂の舞台が色で埋め尽くされる
役者、皆若い。そして皆なんと柔らかい軟体動物なのか!そしてものすごいスピードで舞台をすり足で駆け回る、踊る踊る。
そのすり足移動が驚きで、音をたてず忍者のように人が動くのですよ。MJ(マイケルジャクソン)もきっとびっくりするに違いない。
でも台詞が聞きとりにくのが少し残念。
歌舞伎スタイル、顔メークがやはり歌舞伎でした。最後、隈取したのかな?
舞台、大道具は基本ないから、舞台展開の切り替えの速さもすばやく、見飽きない。
衣装、とっても凝ってて芸術的で美しくすばらしい。

CG(コンピュターグラフィック)の3Dアニメーションを見ている感覚に襲われました。柔らかく、激しく、生身の人間ってここまでできるのかという動き。
細やかな演出。すごく華麗で綺麗なんです。美しく狂っていく人、人を殺めてしまう人間って滑稽。そしてせつない。
最後の戦闘マクベス千人斬りの太刀まわりは息もつかせぬスピードで、20分間ばっさばっさと斬り倒すのに圧巻、感動しました。

はっきり言って、シ・ビ・レ・マシタノ。カッコイイ~。
25日も追加公演がきまったらしいですぞ。
来年も見にいこ。ハポン劇場プロジェクト、次また期待してます。
今を感じる新しい歌舞伎スタイルかも。なんだか一世風靡しそうな勢いを感じました。
パンク歌舞伎 マクベス
ホームページ http://www.haratomohiko.com/


よろしければコメントを残してください

CAPTCHA


訪問中 :