佐川美術館 茶室

滋賀県守山市に佐川美術館があります。

茶道部勉強会にて楽吉左衛門十五代の方が創案した茶室を見学しに行ってきました。茶室見学は要予約です。

コンセプトは守破離(しゅはり)
基本はしっかり見に付け(守)それを基に工夫、発展させ(破)そして独自のもの創造させる(離)
武道や茶道の教えの中ででてくる言葉です。
守破離とは、どれも欠けていては成り立たない。伝統とはそういった相互作用をくりかえしくりかえし過去から現代、そして未来へ続いていく事なのでしょうか?はてな ハテナ
以前お稽古でT先生がそんなお話をされてたのを思い出しました。とにもかくにも今はまずあなたたちは基本に忠実にお稽古しなさいと。
はい、ごもっともでございます。

十五代楽 吉左衛門さんがつくるお茶碗も前衛的です。そして茶室もモダンで前衛的というのかしら。 
日本ではまず見ることが難しいであろう貴重な木材、最先端の建築技術を駆使し、日の入る時間や季節をも計算されつくした現代的な茶室空間でした。創案から3年に及ぶ設計、施工に2年かかったという大プロジェクト。T工務店さまお疲れ様です。

屋根はチタン、壁は基本コンクリートだけれど木目型押し、石や木材の材料がたっぷりと使っているので冷たさを感じさせない、路や寄付きの空間はどこか洞窟の中にでも入っていくような感覚に陥ります。不思議な空間です。
その材自体が持っている素朴さと重厚感もふくめ歴史を感じさせます。それが緊張の中にもどこか落ち着きを感じさせてくれます。
暗いのですが、ところどころに自然の光りを印象的に見えるよう演出してあります。どこまでもぬかりなし。
小間の盤陀庵(ばんだあん)は4mもある手漉きの越前和紙で仕切られた空間であり、繊維がはいった和紙独特のやわらかでやさしい空間のなかにハードな床の間が印象的でした。
三畳半の小間はにじり口から、そっとのぞくだけで、座わることはできませんでした。んー残念。
でも広間の俯仰軒(ふぎょうけん)では、その洞窟感覚からは一転して、水庭の外空間と中との空間とが一体となりどこまでも拡がりを感じさせます。

水庭には姫蒲と葦の浮島もいい感じに青々と繁りかわいい蒲の穂をたくさんつけておりました。浮島のその奥の右側面は美術館への玄関アプローチがあり人もたくさん行き来しているはずなのに、広間から見る風景はそんな雑多な空気も感じさせず静かな水庭だけが見えていました。

池の中に点々と飛び石が配置されてるのを見る。その飛び石のひとつをそのまま茶室にしたようなってのが、私のここの茶室のイメージです。自分自身がとっても小さくなった感じがしました。いや、この茶室のスケールが大きいのか?なんか宇宙だわー素晴らしい!

良いものみさせていただきました。学芸員の方も親切に細かく説明してくださいます。

なかなかあんな空間に身を置く事はそうないでしょう。カイユさんとエアーでお点前と正客ごっこをして気分を味わってみました。
次回は時間帯を変えて見に行ってみたいと思いました。


コメント (4)

  1. カイユ より:

    私がお点前するのポジションに正座、
    そしてM2号さんが正客のポジションに正座。
    そして、手をついてお辞儀。

    これだけのことで、ふたりしてニンマリ。

    今度はふたり入れ替わって、再びニンマリ。

    楽しかったね。

  2. mangrove より:

    カイユさん

    良かったよね。

    今回は朝いちでしたが、今度は午後の時間帯で行ってみたい。

    茶会にもよばれてみたい・・・・。

  3. ハナピー より:

    早くここに行ってみたいのですが、まだ実現していません。。。
    素敵な空間の様ですね!!

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