店は組織をあらわす
かつて百貨店の仕事をしていたころ、家具課と家庭用品課がありました。例えば玄関マットは家庭用品課の商材なのですが、家具課の仕入先にも玄関マットを扱うところがあり、同じ家具家庭用品売り場に2箇所玄関マットを売るコーナーがありました。
かつて、百貨店の平場(ひらば)と呼ばれている場所、例えばスーツ売り場になぜか同じような紺のスーツが一杯並んでいました。これは各取引業者が”売れ筋”と呼ばれるスーツを店頭に出すので同じようなデザインでタグの違うものが並んでしまったのです。同じような売り場でもスーツのバリエーションが多いところは取引業者が絞られていて、”売れ筋”以外の商品を置く余裕があるか、店側が商品内容を取引業者ごとにコントロールしていたからでした。
こんな風に店舗をよーく見ると経営している会社の組織がその背後に見えてきます。
”わーすごい新鮮な店だー”と思う店は”新鮮な組織”で運営しているからです。新しい考え方の組織から発注される店のデザインは設計条件どおりにやれば新しいデザインが出来上がってしまうんですね。逆に組織を変えずにまったく新しい店を作ることはすごく難しいんですね。こわいですねー。
もっというとその会社が”このリスクを敢えて負ってでもやる”と決心した場合にも新しい魅力の店舗ができるんですね。逆もあるんですね。こわいですねー。