朝茶事 その1
まだ朝とはいえない薄明りの日の出前の時間から起きてごそごそと身支度をはじめました。
この日は、杜鵑草庵で初の「朝茶事」をすることになっていました。私M2号が、恐れ多きお主客役に抜擢されました!!またたいへんな役目を請負うことに・・・。
誘われたお客5人の中では、一番長い経験者(それでもたった5年目)ということで、そうなってしまいました。
違う意味で緊張です。あんちょこ(テキスト)持参のたよりない主客でごめんなさ~い。
茶道をはじめてから年を経るごとに、お正客役の重大さがわかりつつあります。会を進行していくキーマン(key person)ですよね。
朝六時に集合。十時には次の用事があるというお客さまがいるので、主客は皆をとりまとめて、さくさく進行していかねばならないのです。
主客の方は、亭主の動きを受けたり、言葉のやりとりなど、そして次客や一緒にいるお客さまも楽しんでもらえるよう気を配らなければなりません。
カルガモの親子が目的地にたどり着くためにヒナたち(ここでは経験の少ないお客様)を引き連れてあるく親鳥のごとく、この茶事を全うさせなければなりません。な~んて(笑)大げさな・・・。
正式なお席で本来お主客席などには到底そのような席には座れない立場の私ですが、お稽古茶事の場と称して、ちゃっかり自分も楽しませていただきました。チャレンジの場、杜鵑草庵に感謝です。ありがとうございます。
カイユさんが亭主役で鶴田母が半東、今回お二人だけで私たち五人をもてなししてくださいました。
朝の六時という時間帯は着物を着ていてもそんな暑く感じないひんやりとした空気が漂っています。
なんと気分がいい時なんでしょう。朝茶事はこの空気までも”ご馳走”なんですね!
まず待合で汲み出しを頂く。梅コーソとレモンバームコーソを薄くのばした酵素水をいただきました。
待合の床の絵。鶴田父が描いたシルクロード敦煌莫高窟の仏像画です。鶴田父は昔敦煌を旅したことがあり、その時の絵がいろいろあり、ここに掛けられる絵がいつも楽しみな事でもあります。中国仕様な設らいがまた杜鵑草庵独特なんですよね。
仏像の顔辺りに赤いマスク状なもの描かれてます・・・私はこの絵を見てツタンカーメンを思い出しました。
後で鶴田父にこの絵の話を伺うと、描いてる最中にそういうものが見えてくるんだそうですよ。
待合を出て、次はベランダの腰掛待合で客は亭主の迎付けを待ちます。
ここで客と亭主が出会い無言で総礼をします。手と口を蹲で清め、さぁいよいよ席入りです。
床には、菊池武士先生の「意」の文字が掛かっていました。
亭主の気合を感じます。
朝茶事は、初炭手前からはじまります。
亭主が香をたき、香合の蓋をしめると、香合の拝見所望
亭主が釜を引いてかんを置くと主客は「風炉中の拝見を」と所望します。
亭主より「勝手を見つくろいまして、お湯づけを差し上げます」
さて、次はおたのしみの懐石です!!