ディスプレイという言葉
写真はM2号の最近の仕事です。後藤デザイン事務所さんが空間をデザインされました。小物のセレクト、ディスプレイはM2号です。詳細は改めてご紹介します。
M2号は自分の仕事を説明するときいつも困っています。
M1号のような店舗設計者が店舗の設計、つまり、床、壁、天井、照明、什器、サイン(看板)などを図面化して、施工業者に作ってもらいます。でもそこでお店は完成ではありません。ここからがM2号の仕事です。
飲食店なら、壁面を飾る調度品をそろえたり、花器や花の手配をしたり、レジ周りの備品をそろえたりします。店のテーマが”昭和初期の店”なら昭和初期を感じさせる小物を買い集めて飾り付けます。なんちゃって昭和なのか、昭和・・代の昭和なのかで小物のセレクトも変わります。
洋服屋さんなら、商品を並べたり、マネキンに服を着せたり、プライスカードを作ったり、大きな写真を飾ったりします。洋服のコーディネートが古臭いと古臭い店に見られてしまいます。
ショールームなら、展示品を並べたり、例えば、システムキッチンなら、キッチンらしく見えるように、鍋やら食器やら花などを飾ります。展示品の考え方に沿った小物、カントリー風のキッチンなら、それらしい小物で楽しい台所であることを表現します。言葉で説明できない部分を説明します。
ディスプレイをする人と呼ばれたり、コーディネートする人と呼ばれたり、花屋さんでもなく、デコレーターでもなく、舞台で言えば、小道具さんのような、でも時々大道具もやるし、美術監督でもなく、でも人も予算もないときは全部やってみたりと。
店によってもいろいろですが、店舗設計より重要な場合も多々あります。店舗設計の役割が、絵でいえば、キャンバスを張って、下塗りをするところまでで、絵を描くのがM2号の仕事という場合もあります。
投資金額が安いか、高いかと、その内容の重要度とは全く関係のないことなのです。そのお店で表現したいことは、どの手法を使うのが最適化と言う事を誰かが判断をしなくてはいけません。大理石の花器に100円ショップで買った造花を飾ることは、その店の本質をお客様に感じとられてしまうことになります。
”私達の仕事はどんなデザインをするかを考える人”・・・これじゃあお金がもらえません。
”2人ともディスプレーデザインやってます”と、一番適当な言葉でお茶を濁してます。
M2号様
お疲れさまでした。
おかげさまでお店の雰囲気も随分と良い感じになりました。