夜咄(よばなし)

12月のとある日、母の誘いで夜咄茶事席に行って来ました。

夜話でも、夜噺でもありません。夜咄(よばなし)です(笑)
まず夜咄(よばなし)とは?
「三時の茶事」の中のひとつ。正午茶事、朝茶事、夜咄茶事三つ合わせて「三時の茶事」と言って、茶事の基本です。
十二月冬至の前後三ヵ月頃の夜長に行われる茶事の事です。

正午の茶事とは違い時間は夕方から夜にかけて行われます。夜間ということは昔は当然電気もない真っ暗な空間でありますから、和蝋燭の火灯かりの元で食事や茶をいただきます。
茶事の流れも正午の茶事ともまた随分違って、正午の茶事では濃茶の後にお薄をいただきますが、夜咄茶事では最初に出てくる汲み出し(正午茶事では香煎・夜咄では甘酒や卵酒)の後に前茶(薄茶)が一碗出てきます。それを濃茶と同じように連客でおもあい(のみあう)で頂きます。
そして初炭手前 ・ 懐石 ・ 濃茶点前 ・ 続きお薄 ・止め炭といった順序でおしまいです。
まだまだ修行年月の浅いわれわれは(私とカイユさん)現地で連客たちにできるだけそそうのないようにと、前もって勉強していったつもりです。
淡交テキスト12月号もありがたいことに夜咄の茶事でしたから、このあたりもしっかり読んでいきました。

夜咄茶事の特徴となる道具は、和蝋燭をたてる手燭や膳燭、なたね油の燈具である短檠(たんけい)、足元を照らす行燈(あんどん)、蝋燭や油から発散する油煙を吸収する性質をもつ石菖(せきしょう)などを使います。石菖は夜の邪気を祓う役目もある草なんだそうだ。これだけの道具を挙げてみてもなんだかロマンチックな夜の演出ではないですか!これらの道具は私にとっては初めて見るものもありました。
連客は自分たちも含め十人でした。
お正客は高松からいらっしゃったという茶人でした。そして連客の方たちは、T先生並の方ばかりです。はっきり言わなくても私たち相当に浮いていたと思います。それでも承知の上でお正客の方は「お勉強していきなさい」と私たちにやさしくお言葉かけてくださいました。周りの方々の配慮もあり今回この夜咄茶事を一緒に楽しませていただきました。そのことにまず感謝とお礼を申しあげにいきたい気持ちです。この場をかりてありがとうございました。

蝋燭の灯かりの元での美味しい懐石料理は目に入ってくるものすべてに感動されっぱなしの自分でした。
ゆれる蝋燭の火が、お料理から沸きあがってくる湯気までが、こんなにもごちそうな事なんだと初めて気付かされました。蛍光灯の明かりの下で生活してるとそんな当たり前ことさえ感動する感覚もなくなってしまっていたようです。灯かりってほんとにありがたいですね。
主菓子も蒸篭で蒸したてのゆず饅頭がでてきました。亭主の冬の暖かい心づくしのもてなしを存分にあじわえるお料理の数々でした。

そして中立ちしてから、濃茶席です。
亭主の雄大なお点前に感動しました。能を生で見たことありませんが、能舞台を見ているような感覚でした。
厳粛でドラマチックなお点前にぐっと引き込まれました。素晴しい世界観を見せてもらった気がします。
出てくるお道具も由緒正しいお道具の数々。それらもひとつひとつ拝見させてもらいましたが、勉強不足な私にとっては、誰々お作や銘も宝の洪水のように遠くに流れていってしまいました。手元にはぽつんぽつんとわずかな記憶だけが残りました。あーぁ・・・もったいない事ですよ。
でもこの日体験した数々の感動はきっときっと忘れない事でしょう。

でも思ったのは、いいお道具を所持しているという事は、それを持つにふさわしい人物という事です。
人もそれなりに勉強して精進して自分を高めていかないと道具にもつりあわない。そんな人のところにいいお道具というのは巡ってくるのでしょうね。

あぁほんとうに夢のように楽しい茶事でした。家に帰ってからも興奮は続き、夜もなかなか眠れませんでした。
次回誘われてもちょっと躊躇するけど・・・後々思い返すとめちゃくちゃ恥ずかしかったのです。でも誘ってくれた母には感謝してます。
またいつかこんな茶事に参加してみたい。

看々蝋月尽(みよみよろうげつつくし)
寄席にかかっていた言葉でした。蝋月とは十二月の事で、みるみるうちに12月になってしまったという意味

今年もあとわずか!用心して新年を迎えたいものです。
日々を大事に精進、精進!


コメント (2)

  1. MW より:

    カイユさんとM2号さんの中に
    幽玄な空間にふれた感動が花開いて
    私たちにもおふたりのお茶を通じて
    触れられるの愉しみです

    とりあえず私はそうゆうお席に行けるよう
    日々精進します

    • mangrove より:

      MWさん
      あらーそんなことおっしゃって。

      行動力旺盛なMWさんには、私たちがいつも励まされていますよ。
      そんな先輩が近くにいるというだけで、私は自分の尻叩かれている気分です。どうぞ今年もよろしくお付き合いくださいね。

      気持ちは前向きに。皆それぞれの歩幅で精進してきましょう~。

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