杜鵑草庵 炉開 お稽古茶事(その1)

先日、杜鵑草庵で炉開きお稽古茶事をしました。

まず、本席の床。花は石蕗。

待合席のお部屋 鶴田父の絵 曼荼羅図のよう。かっこいい~。

いつも、お炭手前とかは省略したり、いろんなところをはしおって、茶事の部分的なところしかお稽古していません。
今回は、最初から最後まで茶事というものをひととおりなぞってやってみようという事でした。
食事もつくり(なんと!弁当じゃない)、初炭手前も組炭もちゃんと使ってお点前もやり、濃茶点前、後炭手前、その後薄茶点前もします。
盛りたくさん。

懐石をつくってみましょうと前日準備できるものはつくり、当日それぞれ寄せ合わせで簡単懐石をつくりました。
釜もお水から沸かします。それは当然といえばあたりまえのことですが、せっかちな現代人の私たち、普段はいつも湯を別のところで沸かして(電気ポット)、それをお釜にいれてお稽古しています。今回お水から炭で湯を沸かしお点前するのは、じつははじめてのことなのでした。さぁきちんと釜の湯がわくように炭が熾るのかしら?

茶事とは、炭を組み→食事をする→濃茶を練り→炭を直し→薄茶をのむということがざっくりした内容になります。
初炭手前は、食事の前にまずぜったいにやらねばならぬお手前です。これをやらないとお茶が点てられません。炭が組まれて、釜に火が入った事をまず皆が確認します。
そしてそれから食事がはじまります。本来茶事の食事とは懐石料理です。その食事をしている間に、さきほど組んだ炭が熾ってきて、食事が終わるころには釜の中はいい具合に湯が沸いて、濃茶が練れる準備がすっかり整うという段取りです。だから食事の時間というのは湯を沸かすためのとっておきの待ち時間という事なんですね。長ったらしいと思われがちな懐石のすすみ方もそういう訳もあって、とても合理的な食事方なんです。納得であります。
そして、その後お菓子を食べ濃茶を飲み、もう一度炭を直し(後炭手前)てから軽い干菓子と薄茶を飲み、会はおしまいになります。ざっとこれだけの事をこなし茶事(フルコース)とは4時間くらいかかります。ひぇータイヘンな事です!茶事ってオオゴト!

今回は炭手前全般(初炭・後炭)をカイユさん、濃茶点前を私M2号、薄茶点前をOさん、Sさんと担当し、鶴田母が主客を務めながら、それぞれに指導してもらいました。

最初に待ちあい席で熊笹茶をいただきました。それから席入します。

 

初炭手前をするカイユさん

 

こうして炭が置かれました。後は湯が沸いてくるのを見守ります。どきどき、少し興奮。

若手だけだと、なんとなくいい加減に事をすましてしまいがちですが、鶴田母はチェック厳しいですから、ちゃんとやらねばなりませぬ。
そんな感じでお尻をペンペンたたいてもらいながら、われわれ茶道部はいつもお稽古しています。そんな事を実践をさせてくれる場を与えてくれる鶴田母に感謝です。
40代のいい齢した私たちですが、先輩、師匠曰く、まだまだ若いのだからもっともっと勉強をしなさいと叱咤激励されます。身体が動けるうちにやりなさいともいわれます。それも多いに納得。本や書物を読んだり見たりと頭ですることもお勉強ですが、実践して身体を動かしやってみるとそれに関わるその他のこともいろいろと見えてきます。頭でっかちだけでもいけないのです。
やっぱりやらないといけないなーと最近つとにそう思います。

そして、次回食事につづきます。


コメント (6)

  1. カイユ より:

    いつもちゃんと記録してくれてありがとう!!
    わたしはいつも写真を撮る余裕すらないので、こうして記録してもらえることはほんとうに貴重です。

    今回の生まれて初めての正式な組炭でのお点前。
    わたしは興奮で頬が赤いですね。ハハハ~

    お金のことをいうのは無粋ですが、1組約2千円するんですよ。
    1回お湯を沸かすために、2千円。贅沢ですね。

    このお金は日々の皆様のお稽古代の積み立てからまかなっております。
    次回は初釜のときにいたしましょう。その時はM2号さんが炭手前を
    担当してくださいね。

    当面の目標としては、お茶事も回数を重ねて、サラサラと当たり前のように進行できるようになりましょうね。

  2. ハナピー より:

    よかお稽古ですね〜♬
    そうです。炭点前は、勿論経費はかかりますがな…
    私も良く一人でもお炭からお稽古させて頂きました。
    以前はお金の事など全然わからなかったけど今思うと有難い
    限りです。
    そのうち『炭』事態も手に入らなくなるかもしれません。
    貴重な体験です。

    お稽古を初めたばかりなので、少しばかりでも御点前が普通に
    出来る様になった頃にでも『茶懐石』したいな…
    炭の景色が違うし、何かと参考になります。
    やっぱお茶って良いですね!!

  3. mangrove より:

    カイユさん
    これも仕事の一環でやってます。ドキュメントはあとあと面白いからこうして記録するのです。

    昔のことと笑っている自分がいたらいいよなぁ。
    炭組一回2千円かぁ。貴重な体験ですね・・・。ほんと贅沢。

    お稽古といえど無駄にできないわ。初釜の炭手前がんばろー!

  4. mangrove より:

    パナピーさん
    赤々と燃える炭がほんとうにきれいでした~。

    水から沸いてる~と感動してる自分たちにも笑っちゃいますが、
    この茶を入れるために、これだけの事をするんですもん。
    客の立場になったら、感動もひとしおでしょうね。

    火の大切さも身にしみます。
    あたりまえじゃないのよね~

  5. カイユ より:

    風炉の時と炉の時との炭の量の違いも
    実際に火を入れてみてこそ実感できるよねぇ。

    たっぷりの炭があんなにもあったかくて贅沢なものだと
    体験できてうれしかったです。

    こうした一つ一つの貴重な体験の積み重ねが楽しいです。

    今後の課題はちゃんとした懐石のいただき方ですね。
    がんばろー

  6. mangrove より:

    カイユさん
    杜鵑草庵は、貴重な実践室です。

    がんばろー

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